琉球ガラスの特徴
琉球ガラスは1998年に沖縄県の「伝統工芸品」に認定され、従来は観光土産品色の強かった琉球ガラスですが、現在では多くのメーカーや個人工房も増え、工芸品としての独自の作品作りが始まっています。
こうした琉球ガラスの特徴はいろいろな要素から生み出されています。まず原材料ですが「ソーダ石灰ガラス」である琉球ガラスは、「珪砂」という種類の砂を主原料として、ソーダ灰、石灰などを調合して作られています。
製造工程でできるガラスの断片「ガラス・カレット」も、原料の一つで、調合した原料と混ぜ合わせて再生利用されています。原料は熔解窯の坩堝の中に投入され、約1,400℃の高熱で一晩中熔解され、ガラスの素地となります。簡単に言えばこの素地を必要なかたちに成型することでガラス製品になるわけです。
琉球ガラスで特徴的なのは「色あい」だと思いますが、琉球ガラスの基本の色は、オレンジ・茶・緑・水色・青・紫の6色となっています。この基本の色以外でも、調合することでピンク、黄色、黒などいろいろな色を作ることができ、濃淡の表現も可能です。
昔は前述の通り、コーラやジュースの空き瓶を溶かすので、瓶の色をそのまま利用していたわけですが、現在では基本となる3種類の原料に着色剤を調合させて、沖縄独特のイメージとなる鮮やかな色彩を作り出しています。
実際の着色は、原料を調合する段階で、色の基となる金属酸化物を溶かし込むことで発色させています。「泡」も琉球ガラスの特徴です。泡ができるのは、溶解窯の坩堝の中で溶けているガラス素地に、炭酸水素ナトリウム(重曹)を加えて撹拌するからで、こうすることで無数の細かい気泡ができて、光を乱反射してガラスが白く見えます。
泡ガラスは、器全体の彩りや、透明のガラスの上のポイントとして使われ、気泡による柔らかな印象が評判です。又、琉球ガラス村では「自分で作れる道具は自分で作る」という伝統があり、琉球ガラス作りに必須の、吹き棹やポンテ棹、作業台や、大きな熔解窯も、職人が作った道具が使われています。